途上与信によってクレジットカード利用限度額の増減が行われます
クレジットカードの有効期限内には、とある条件のもと定期的に行われる法定途上与信と、各カード会社が独自・不定期に行っている途上与信という、2種類の与信があります。
そして、これら途上与信では顧客の現在や過去における自社と他社での利用状況を調査して、必要であればクレジットカード利用限度額の増額や減額などの処理を行っています。
もっとも、利用限度額の増額になれば今までよりも多くの限度額にてカードの利用が可能になる＝カードの利便性が向上する事になるため、顧客にとっては使える額が増えるので嬉しいですよね。
ただ、この途上与信によってある日突然カード利用限度額が減額されてしまうと、それまでの限度額で利用していた顧客にとっては、今まで使えたはずの額が使えなくなるため嬉しいこと事とは言えません。
なぜか利用限度額が下がってしまった
さらに言えば、この利用限度額が減額されると、今まで当たり前だと思っていたカードの利用に少し変化が出てくる可能性がありますよね。
そこで今回の記事では、利用限度額の減額がもたらす影響について解説します。
途上与信や法定途上与信ってなに？
途上与信や法定途上与信ってなんだろう？
「途上与信」「法定途上与信」という言葉は聞きなれないので、これらを聞くと、難しい言葉でどのような意味なのか分かりにくいですよね。
分かりやすく説明すると、まず、途上与信とは途上＝中間の事で、与信＝審査の事です。
クレジットカード審査に通り発行された後、カード会社が任意で行っているカードを利用している間の審査のことを言います。
いつ与信されるのかは、カード会社によって頻度やタイミングなどは違います。
クレジットカードは、発行されれば一生そのままで使えるわけではありません。
人によって、
今回作っただけクレジットカードを持っている
という人もいれば、
その後に違う会社のカードも作った
転職して今までよりも収入が少なくなった
支払いで滞納してしまった
というように、人によって複数のクレジットカードを作っていたり、今持っているクレジットカードの支払い状況だったり、経済状況が変化していたりする可能性があるので、クレジットカード会社ではカードを持っている人を対象に審査を行っています。
次に、法定途上与信とは、クレジットカードのように支払いをすれば、決められた額以内の範囲で何度でも使える場合に「貸金業法」という法律で決まっている途上与信の事で、義務なので定期的に与信が行われています。
途上与信では在籍確認の電話があるの？
カード審査を申し込んだ時には、カード会社や人によって在籍確認の電話がありますが、途上与信でもまたあるのか気になる人もいるかもしれません。
ですが、基本的には途上与信では在籍確認の電話はありません。
ある日突然利用限度額が減額される可能性があります
法定途上与信はいつ実施されるのか？があらかじめ分かっているため、何らかの心当たりがある場合には、これによって利用限度額が減額されたとしてもある程度、心の準備が出来ていますので、
ああ、やっぱり減額されたのか・・・
と、それほど驚くことは無いと思われます。
ただ、カード会社が不定期に実施している途上与信では、いつ行われているのかが分からないため、ある日突然封書が届き減額された旨（あるいは減額された利用限度額が書かれている）を知らされる訳なので、それはもうビックリするとともに
急になぜ減額されたの？
という思いが駆け巡る事でしょう。
しかし、この時点では減額された金額はどうする事も出来ませんので、今後限度額を戻したいのであれば利用状況を改善して増額されるのを待つ、または改善後に自ら増額の申請を行うなどの対策を行う必要があります。
クレジットカード利用限度額の減額による影響
利用限度額が減額されるとどうなるの？
ここからは、利用限度額が減額された場合に出てくる影響について解説します。
クレジットカードの利用金額が制限されます
これは当たり前ですが、カードの限度額が減額される＝それまで利用可能だった限度額が引き下げられます。
今まで使えていた額が使えなくなった
限度額が引き下げられるという事は、カードの利用が制限されますので、結果として今後は今までのようにカードを使う事が出来なくなります。
また、カードの利用限度額が減額される人は、今までも限度額一杯またはそれに近い金額を使っていた可能性があります。
仮に多重債務に陥っていた場合は、今後のカード利用代金の支払いが厳しくなる可能性があるので注意が必要です。
割賦枠にも影響が出る可能性があります
クレジットカードには、通常のショッピングで利用可能なショッピング枠があり、その枠の中にも、利用枠（割賦枠）が付いている場合があります。
そして、この割賦枠ですが一括払い以外の支払方法（分割払いやボーナス払い、リボルビング払いなど）での利用が可能となっており、この割賦枠の限度額はショッピング枠の限度額に含まれています。
ただ、この割賦枠ですが、これは「割賦販売法」の制限を受けるため、支払い可能見込み額調査の結果によっては、その限度額が減額される可能性があるのです。
基本的に、この支払い可能見込み額の調査はクレジットカードの新規発行審査や更新審査、さらには限度額の増額審査の際に行われる事が多くなっているため、途上与信とはあまり関係ないと思っているかも知れません。
しかし、クレジットカード会社の中には先程挙げた各種審査以外にも行っているケースがあるため注意が必要です。（実例あり）
ちなみに、
今まで割賦枠の限度額が50万円だったものが30万円に減額された際にすでに枠一杯の50万円を使っていた場合には、枠を超えている20万円の一括請求がある
と思っている人もいるかもしれませんね。
安心して下さい
これについては、今まで利用していた割賦枠50万円の利用が出来なくなるだけで、大抵のカード会社ではその支払いを今まで通り行う事が可能です。
ですが、今までの支払いを何度か延滞していた場合には、一括請求が行われる可能性がありますので注意が必要です。
カードの有効期限は更新されるのか？
利用限度額の減額という、あまり喜ばしくない手続きが行われると、中にはその後、
有効期限が来ても更新済みカードが届かないのでは？
と思っている人がいるかも知れませんね。
それに、この記事を書いている張本人がそう思っていましたので、少なからずそう思っている人はいるのでしょう。
もっとも、与信によって自社データベースや個人信用情報機関の信用情報を調査した上で限度額が減額された訳なので、
更新審査でも自分にとって不利な状況になるのでは？
と思う事も仕方がありません。
ただ、私の過去の経験から言えば、減額されたカードの有効期限1か月前に更新済みのクレジットカードが届きました。
もちろん、これはカード会社全てを調査した訳ではないので、会社によっては違うところがあるかも知れません。
しかし、途上与信後に自分の属性や信用情報に何かしらの問題が発生した場合には、更新済みカードが届かない可能性がありますので、減額されたとしても毎月の返済を延滞する事無くきちんと行って下さい。
減額されないためには毎月の支払いをきちんと行う
カードの利用限度額が減額された場合の影響などについて解説しましたが、いかがでしたか？クレジットカード利用限度額の減額は、ある日突然に行われるため驚いてしまうかも知れません。
ですが、起こってしまった事実を変えることは出来ませんので、その後は毎月の返済を延滞なくきちんと行う必要があります。
この毎月の返済をきちんと行っていないと、更新済のカードが届かないばかりか、こちらの記事でも説明していますが、今後のクレジットカード審査に通らない可能性がありますので注意が必要です。
もっとも、クレジットカード利用限度額の減額に遭わないための唯一の方法は、カードの利用は無理せず計画的に行う事になりますので、毎月の利用には注意しながら快適に利用して下さい。
カードを計画的に利用して毎月きちんと支払いをする
そして、毎月きちんと支払いを行っていれば、信用情報にも良好なクレヒスが積み重なって行くため、今後の審査では有利になりますので、毎月の支払いは重要です。
まとめ
クレジットカードを持つようになると、途上与信と法定途上与信の2種類があります。
もしも、カードの利用限度額が減額された場合には、次のような影響があります。
- クレジットカードの利用金額が制限される
- 割賦枠に影響が出る可能性がある
「減額されないため」や「カードの有効期限を更新されるため」には、毎月の支払いをきちんとしましょう。
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